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見つからなければ
どうしよう

今見つからなくても大丈夫だよ。中高生のうちにはまだ自分がやりたいことがはっきりは分かっていない人がほとんどだろうし、自分に向いていることや自分の能力にもちゃんとは気づけてないはずだから。見つからない時に、大事なのは、今の自分をよく知ること。なんとなく・・・のレベルだと、みんなもわかっているとは思うけど、じっくりと自分の分析をしてみたらどうだろう。「何が好きか」、「何にワクワクするか」、「何が得意か」に加えて、「人と一緒に何かをするのが向いてるのか」、「ひとりで何かをする方がいいのか」、そうやって自分を見つめてみるといいかもしれないね。

それから、動いてみるのも大事!いろんな大人に会ってみる、話を聞いてみる。それができなければ、観察してみるとか。家を一歩出れば、そこには働いている人がたくさんいる。自分の目で見て、心で感じていれば、ヒントが見つかるかもしれないよ。

 

ここで大事なことが一つある。自分がやりたいこと、自分が好きなことを仕事にするのか、それとも、自分に向いていること、自分が得意なことを仕事にするのか、それについてもいつか決めた方がいい。「仕事=自分が好きなこと」がいいという人もいれば、「仕事=自分ができること」がいいという人もいる。大事なのは、ある人にとっては仕事は人生の一部でしかないし、仕事以外の部分で自分らしく生きることだってできるということなんだ。つまり、仕事を考える前にどういう人生を送りたいかを考えることの方が大切だという人もいるということ。ただし、仕事について考えるより、人生について考えることの方が、多くの人にとって、たぶん、難しいはずだけどね。

 

それから、考えるときに、ちょっとだけ頭の隅っこにおいてほしいことがある。それは、みんながやりたがる仕事とやりたがらない仕事あるということと、自分のための仕事と人のための仕事があるということ、そしてその違いはなんだろう?ということ。そして、世の中には、カッコいいと思われている仕事とカッコ悪いと思われている仕事があるし、偏差値や学歴で仕事を決める人がいるということ。さらには、先輩に誘われてなんとなく始めたという人もいれば、親の仕事を継がなきゃいけない人もいるよね。そのことは果たしてラッキーなのか不幸なのか?それはやってみないとわからないことかもしれないけれどね。

最後にもう一つ。自分がやり始めた仕事が、最初の目的からどんどんズレていってしまうことが時々あるんだよね。子どもが好きで先生になったはずなのに、子どもに大人の価値観を無意識に押し付けてしまうとか、人を助けたいと思って始めた仕事が、いつの間にか人を苦しめる仕事になってしまったり。どんな例があるかピンとくる人もいるかもしれないけど、アンテナを張ってニュースを受け止めていれば、わかると思う。自分たちがそうならないように常に注意しておきたいね。

仲程秀之さんDSCF7241.JPG

「過去の自分にアドバイスをするとしたら、一つあります。とにかく試しに商売をやってみることです。『なんでもいいから売ってみろ』って昔の自分に言いたいです。絵を描いてるんだったら絵を売ってみる。肩揉みが好きだったらそれを売ってみる。何か技術があればその技術を売る。皿洗いでもいいし、海で拾ってきた石を売るのでもいい。金銭感覚を身につける効果もあるけど、それだけじゃないんですよ。誰かに価値を提供する経験をやったことがあるかどうかで、その人のなかに圧倒的に差がでるんです。中高生からその経験をしてたら、将来すごくプラスになると思います。自分が生み出せる価値ってなんだろうって考えて、試すことは大事なんです。価値は他人が決めるものだと思っているので」

大きな本屋やドンキホーテのような色んなものが雑多に並んでるようなお店に行くといいですよ。普段自分と接点がない商品やジャンルと出会うことができますから。視野を広げるのに最適です。なるべく自分の足で、お小遣いを握りしめて、例えば500円持って、使い切るチャレンジをするとか…。限られた条件で買い物するという行為は、選ぶ力を育むことにもなるし、セレクトする力は自分にぴったりな仕事を見つける上でも、そして、実際に仕事をする時にも必ず役に立つはずですから」

中村卓矢さんDSCF7204.JPG
とみた花子さんDSCF7181.JPG

「自分がどういう人になりたいか、何をするのが楽しくて、どう生きるのが幸せなのかは真剣に考えた方がいいと思うよ。でも、どんな仕事がいいのかは、今急いで考える必要はないよね。なぜかというと、みんなが大人になった頃には、今はない新しい仕事が生まれているはずだから。だから、今ある仕事だけから選ぶことにエネルギーを注ぐより、自分が好きなことをして、何が好きなのかいっぱい考えるといい。それで、結果それが仕事につながればいいし、仕事につながらないとしても、楽しく生きていられたらそのほうが幸せなんじゃないかな。そのためにも、図書館とかお店とか、いろんな発見をリアルな場に取りにいくのも大事だし、なにより、いろんな人に出会うことが一番大切なことだと思います」

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