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とみた花子さん

アロマテラピスト/社会活動家

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[自己紹介]

私は2つの仕事をしています。

動物の命を奪わない「ヴィーガン」という生き方を広める仕事と、植物療法を行うセラピストの仕事をしています。

4歳の息子とたくさんの保護猫と暮らしているシングルマザーです。

「好きな場所で、好きな人と、好きなことをして生きる」ことが人生の夢です。

私は、中学校時代をほとんど不登校で過ごしました。

それは苦しい時間でもあったけれど、あの頃の私が今の自分を作っているなあと心底感じます。

そんな元不登校児の私が「好きなことをして生きる」ために奮闘する毎日のことを、楽しい気持ちで聞いてもらえるようなお話ができたらいいなと思っています。

interview

Q学校はどんな場所でしたか?

小学校は比較的楽しく通ってたんですけど、でも、中学校はとってもとっても嫌いで、途中から不登校になったんです。中学時代に引っ越しをしたんですね。それで、タイプがまったく違う二つの中学に通ったんですが、どっちもダメでした。なぜ学校に行くのが嫌だったのかは、ひとことではいえないんですよね。いろんなことが少しずつ重なって嫌になったんです。ルールが嫌とか、先生が嫌とか、確かにありはするんだけど、何のためにやらなくてはいけないかがわからないのに、やっている、やらされるということが多かったんです。今振り返ってみると、「何のためにやるの?」というのがわからない状態でやることが、自分のなかで苦しくなって、学校に行くのがつらくなったんじゃないかと、思うんです。「何のために?」という疑問に対して、もし先生や大人から納得のいく答えをもらえていたら、結果は違っていたかもしれないです。

 

Qお気に入りの居場所はありましたか?

都会に住んでる時は、自分のお部屋だけでしたね。当時は今ほど不登校が理解されていなかったから、平日の昼間に外を出歩くこともできなかったですから。だから部屋で、音楽を聴いたり、本を読んだり、絵を描いたり、粘土で物を作ったりしていました。田舎に引っ越してからは、庭で畑みたいなものをやったり、犬を連れて森に散歩に行ったり、そこで拾った蔓(つる)などでカゴなんかを作ったりしてました。やりたくてやっていたというよりも、他にすることがなかったからそうしてた、みたいなところがありましたけど(笑)。

 

Q中高生の頃、目標にしている大人はいましたか?

子どもの頃どうだったか思いつく人はいないけど、やっぱり好きなことをして生きている人がうらやましかったです。

 

Q大人という人たちをどういうふうに感じてましたか?

「何だろう、この人は?」という大人と、「素敵だなあ、こういう風になりたいなぁ」という大人が、両方いましたね。いろんなことが積もり積もって、「学校に行きたくない‼︎」と、大爆発したことがあったんですが、その時に「それに疑問を持つあなたでいいんだよ」と言ってくれた大人が数人いたんですね。疑問や不満を持つ私を、そういうふうに受け入れてくれた大人もいたからこそ、人生の早い段階で、「人はそれぞれなんだ」と気づくことができました。

Q今の自分と中高生の頃の自分で大きく変わったことはありますか?

丸くなったんじゃないかな(笑)。昔は、人とぶつかって、触るものを傷つけながら、だんだん丸くなっていったと思いますよ。やっぱり人を傷つけたら自分も傷つくし、そのことで心もすり減っちゃうし。すり減って丸くなったのかも。「自分の言い方が変われば相手も変わる」。10代後半頃にそう気づいたのがきっかけかな。たとえばこちらがケンカ腰だったら相手もそういう態度になるけど、こっちが、穏やかだったら相手も穏やかに接してくれる。自分が優しくなることで、結果的に自分が楽になると、実践のなかで気づいたんです。

Q中高生の頃、どんな仕事を考えていましたか?

絵を描くことが好きだったし、親は絵画教室に通わせてくれたけど、それは仕事にはつながらなかった。高校卒業後に芸大に進むことを父からも反対されたんです。理由は「芸術をやりたいって思う人間が、21世紀目前の今、学校に行かないと夢を叶えられないって言うのか?だったら賛成しないぞ」、だったんです。その頃の自分には画家や漫画家、イラストレーターを本格的に指す以外の選択肢を思いつけなかったんです。それに、当時の父は好きなことをやって生きていたけど、生活は楽ではなかったんです。だからこそ、リスクを背負ってまでアートの世界に進もうとは思わなかったんだと思います。結果的に、私は今、好きなことやって生きることができていますけどね。

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Qアロマテラピーの仕事に必要なものは何ですか?

アロマテラピーとは、植物から抽出したオイルを使って心や体を癒す仕事です。相手の状態に応じてブレンドして、使用する。アロマテラピーに向いてるのは、香りが好きな人、ブレンドするのが楽しい人、見えないもの触ることができないものが心と体に作用することを面白がれる人、相手が何を必要としているかを察知できる人、相手を理解することが好きな人かなと…。

 

Q仕事で大事にしていることは?

アロマテラピーの場合は、仕事中は相手のことを知ることを最優先するし、相手のために自分を総動員するけど、セラピーが終わったら、反対にその人のことは考えないようにしています。境界線を大事にしないと、自分の人生を生きられなくなっちゃうので…。

 

Qヴィーガンとは?

ヴィーガンとは、できるだけ動物の犠牲を強いることなく生きる生き方のことです。例えば、お肉、お魚、乳製品や卵などの動物性食品を避ける食事をしたり、毛皮や革製品などを身につけないなどのライフスタイルをすることを言います。

 

Qヴィーガン関係の仕事を始めたきっかけは?

子どもの頃から動物が好きだったし、「動物を食べないで生きていきたいな」と思うようになったことがきっかけですね。10代になるまではお肉も好きだったけど、不登校になったり、親ともうまくいかなくなったりして、ひとりぼっちになったときに、犬や猫が大切な存在になったんです。20代になって、飼ってた動物がたて続けに寿命で死んでしまったんです。そのときに、最後まで幸せに生きる動物と、幸せに寿命をまっとうできない動物がいることについて考えるようになりましたね。考えた結果、ヴィーガンを始めたんです。その延長で、ヴィーガンについて多くの人に知ってもらおうとボランティア的にヴィーガンの仕事を始めました。お金にはならないけど、動物はもちろん、関わってくれる人に喜んでもらえるから続けられています。この仕事を通して、普通だと出会えないような素晴らしい人と出会えたり、お金では買えないものをいただいてもいます。

Q人生の中で仕事が占める割合は?

考えたこともなかったし、人生の終わりにならないとわからないかなと思います。結果何%だったねっていう感じで。今は遊びも仕事も境界線が曖昧です。何%を目指すというよりは、仕事も遊びの延長みたいな生き方が理想ですね。

 

Q仕事に必要なものは何ですか?

「私が伝えた今回の話も、他の大人のみなさんの話もすべて、過去の話だからね」と、中高生のみんなに言いたいです。時代も違うし、人それぞれも違うんだから、参考にするのはいいけど、同じようにやったとしても同じ結果にはならないし、第一みんなが大人になるのは未来なんだから。

Q自分らしく生きるためには何が必要だと思いますか?

「自分らしさ」を貫く事は、幸せな事ばかりでもありません。時に誤解され、人とぶつかり、多数決に敗れ、孤独を味わって、でも、自分らしくいることは、自分の大切な価値観に正直でいることだから大事なことだと思うんです。そして、私が「自分らしく」生きられているのは、たとえ価値観が違っても仲良くしてくれる仲間や友達がいるからです。「自分らしさ」と同時に、一緒にいると楽しいと思ってもらえるような、明るさや素直さを持つことかな、と自戒を込めて思います。

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※このガイドブックは公益社団法人金秀青少年育成財団の助成を受けて制作されました。

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