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平仲稚菜さん

エデュケーター

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[自己紹介]

 

小学生の時に、世界の児童労働について取り上げていた番組を見てから、社会人になったら子どもたちのために何かしたい!と子どもながらに考えていました。そして今現在、遊びを通して子どもたちが他者と関わる力を育むためのプログラムを作ったり、実際にファシリテーターとして関わる仕事をしています(^^)

"大人だから"と常に教える立場ではなく、日々子どもたちから多くのことを学びながら楽しく働けています♪(ちなみに出身は具志頭です!)

interview

Q学校はどんな場所でしたか?

友だちと遊べる場所でした。1学年1クラスで、ほとんど保育園から一緒だったので仲が良かったんです。小学校は遊びが中心で、勉強は付随しているものでした。中高時代はバレーボールの部活をしに行く場所でしたね。部活のメンバーはどちらかというと仲間で、友だちという感覚はあまりなかった。上下関係やルールが厳しかったからだと思います。

 

Qお気に入りの居場所はありましたか?

小学生の時は、学校の屋上がお気に入りでしたね。屋上は見晴らしが良くて開放的だったし、先生が絶対に来ることがない、自分たちしかいない空間だったから居心地がよかったです。一番落ち着く居場所は自分の家だったかな。家族兄弟がみんな仲良しなんですよ。

 

Q中高生の頃、目標にしている大人いましたか?

両親です。きょうだい4人に同じように、平等に愛情を注いでいましたね。自分が親になったら、そういう子育てをしたいです。特に母親はいつも味方でいてくれたし、「稚菜は稚菜だよ」と肯定してくれたので、とても愛情を感じながら育ったと思います。

 

Q中高生の頃、不満や悩みがありましたか?

大人への信頼は基本なかったです。親や親戚以外はあまり好きじゃなかった。母親は状況を把握した上で話を聞いてくれるけど、先生はわかっていないのに決めつけるんです。先生の基準で良い悪いを決める。今はあの頃の先生の気持ちも理由も理解できますが、子どもの頃の私はそれを理不尽に感じていました。

Q今の自分と中高生の頃の自分で大きく変わったことはありますか?

視野が広くなったかな。「正義か悪か」を大人から知らないうちに教え込まれていたり、「男はこうあるべき、女はこうあるべき」という固定観念の中で育ったりしてきたせいか、集団行動を乱す子がいたら、寄り添うタイプではなく叱るタイプだったんです。中学から高校、そして専門学校に進むにつれ、育ってきた環境が違う人との出会いが増え、カナダに留学していた時にはライフスタイルや言葉の違う人たちと出会うことで視野が広がっていったんです。社会人になってからの出会いは、より濃く影響しています。マイノリティと呼ばれる人たちだったり、社会課題に向き合う人たちと仕事をしていく中で、自分自身の価値観と向き合う時間が増えました。

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Qこの仕事を選んだきっかけは?

小学生の頃、『世界がもし100人の村だったら』という特別番組を授業で観たんです。当時の私と同じ年頃の子どもたちが、児童労働や貧困で苦しんでいる姿が、テレビに映し出されていました。その姿が、世界のことを何も知らなかった当時の私にはあまりに衝撃的で、それからずっと「子どものために何かしたい!そして子どもを苦しめる、悲しませる大人にはなりたくない!」と強く思うようになりました。その思いが今の仕事につながっています。

Q仕事のどの部分が一番好きですか?

教材づくりですね。それが楽しいからこの仕事をずっとやっています。デザインや手法を仲間たちと話し合うのが楽しいんです。思っていたのと違う反応も、新しい学びになって面白いです。

 

Q仕事で大事にしていることは?

私が嫌いだった大人みたいに、子どもに接しないことを心がけています。決めつけや、上から抑えつける圧力は本当に嫌いだったので…。子どもと同じ目線で話したり、まずは話をきいて受け入れる。その上で、「でも私はこう思う」と自分の気持ちや考えを伝える。最初から拒否して受け入れないのではなくて、まずは話を聞いてお互いの価値観の共有を大事にしています。どちらかが正しいというわけではないので…。

 

Q仕事で一番時間をかけているのは何ですか?

自分たちが伝えたいと思うもの、体験してほしいものって、子どもたちにとっては、やりたくないことだったりもするわけです。それをいかに面白く、調理するかが大人の仕事です。無理強いをして「大人たちに無理矢理やらされた」というネガティブなイメージを持ってほしくないんです。プログラムの工夫や、物事との出会わせ方しだいで、子どもたちは興味をもってくれるはずなんです。

 

Q仕事を通して社会に何を提供できますか?

偏見や差別が生まれない社会をつくりたいんです。その切り口として、そういうことがまだ生まれていないはずの幼児のうちから、いろんな人や価値観に出会うことで、そもそもの偏見や差別が生まれないような世の中の雰囲気をつくっていきたいです。

Q人生の中で仕事が占める割合は?

85%以上です。これから先のライフイベントによって変わるとは思いますが、85%以上は仕事が占めていくと思います。

 

Q仕事に必要なものは何ですか?

人とのつながり(ネットワーク)やパソコンでの情報収集。自分自身(発言や行動)が道具でもありますね。

 

Q仕事以外で大事にしてること、熱中していることはありますか?

リラックスすることや、息抜きをすること、考えない時間をつくることを意識しています。三線、ウクレレ、刺繍、釣り、家族でボードゲームなどですね。プライベートではがんばらないようにしています。

Q自分らしく生きるためには何が必要だと思いますか?

いろんな物事に対する気持ちを自分で決められることが、自分らしさなのかなと私は思います。花を見て必ず「キレイだ」と思う必要はないし、女だからといって必ず男を好きになる必要もない。どんな場面でも自分の気持ちと向き合って、自分自身の本心を導き出すことができれば、自分らしさがちょっとずつ増えていく気がします。そしてその自分らしさが誰かを傷つけないように、知識を増やしていくことも、この社会で自分らしく生きるための工夫だと思います。

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※このガイドブックは公益社団法人金秀青少年育成財団の助成を受けて制作されました。

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