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へんな優さん

グラフィックデザイナー

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[自己紹介]

アートディレクター・デザイナー・イラストレーターのへんな優です。

沖縄に嫁いだら「平安名(へんな)」という名前になったので、これはラッキー!ということで、「へんなデザイン」という屋号で、デザインの仕事をしています。

「ふつう」と感じるものだと、誰も気に留めてくれないので、「へんな(変な)」ことはいいことだと考えています。

「へんな」人が、「へんな」まんまで、心地よく生きられる社会を目指して仕事をしています。

ひょうきんな方を目指して、日々、進みます。だっふんだ!

◆へんなデザインのホームページ https://hennayu.com

 

interview

Q学校はどんな場所でしたか?

小中学校までは、いろんなことに素直に、真面目に一生懸命に取り組めて、楽しく過ごしてました。高校に入ると、そういう年頃だったのか、なぜ、決められた時間、学校の敷地内にいなくてはならないのかなど、ひねくれていて、みんなと同じように行動するのがイヤになりました。でも部活(バスケットボール)だけは、なぜか最後までがんばっていました。

 

Qお気に入りの居場所はありましたか?

家の近くにあったお寺です。小学生の頃、近所の子供達の秘密基地のような場所でした。神様がいるからゴミを捨てたり汚したりできなかったです。目に見えないチカラがそこにはあり、「使わせてもらってありがとう」、という気持ちをみんな持っていました。

 

Q中高生の頃、目標にしている大人はいましたか?

中高生の頃、大好きだった『FRUiTS』という雑誌に出てくる都会のおしゃれな人たちに、ものすごく憧れていました。とにかく、この雑誌を見てるとドキドキ胸が高鳴って、楽しくて夢中になれて、わたしも自由に好きな洋服を着て都会の街を歩きたい!と想像しました。単純に、載っている人たちを、かわいい&かっこいいと感じてました。あとはマンガをほとんど読まなかったけど、「ちびまる子ちゃん」だけ大好きで、さくらももこさんにも憧れていました。美人でモテモテでキラキラした女の子が主役、というのが定番の少女漫画の中で、堂々と、素朴なまるちゃんがいることが、わたしのようにフツーの女の子も存在する、ということを、理解してくれている感じがして、嬉しくて、そのままの自分を肯定してもらえた気持ちだったんじゃないかと思います。わたしが小学2、3年生くらいの時にテレビアニメが始まって、年齢も同じくらいだったし、姉妹の次女であるところとか、怠け者なところ、絵を描くのが好きなところ、など自分と似てるところもたくさんあって、ずーっと勇気をもらい続けてきました。まるちゃんのことを本物の友だちのように感じて、今でも大好きです。

 

Q中高生の頃、不満や悩みがありましたか?

田舎だったこともあって、周囲の大人はみんな世間体を大事にしていました。「誰かに見られたら恥ずかしいからやめなさい」、というような叱られ方もたくさんありました。

そのせいかどうかはわかりませんが、人の目を気にしすぎていました(今も割とそうです)。小さいことでも、「これをしたら、相手にどう思われるかが不安」。「嫌われたくない!」という気持ちが強く、全然自分の意見も言えない子どもでした。

でも!!広告の仕事をし始めると、これ(広告表現)をしたら、相手(生活者)がどう思うか(喜ぶかどうか)、ということを、細部に渡ってものすごく考えるので、ずっとそんなことばっかり考えてきたので、これは得意だ!と気づきました。

なんでもかんでも、一長一短ですね。

Q今の自分と中高生の頃の自分で大きく変わったことはありますか?

子供の頃は人見知りで、内向的で、話すのが苦手でした。お店で店員さんを呼ぶことさえできなかったんです。デザインの仕事では、デザインの意図や伝えたいことを言葉できちんと伝えないと、自分の案が通らないという場面が出てくるんです。デザインについて自信がついてくると、言いたいこともたくさん出てきて、必要な時に、自分の言葉で堂々と言えるようになってきたかな。もともとはちびまるこちゃんみたいに、ダラダラしてる自分だったんですが、仕事についてからはシャキッとしている自分を演じるようになりましたね。仕事が自分を変えてくれたんです。

Q仕事で大事にしていることは?

クライアント(お客さん)の話をいっぱい聞くことです。その人の生い立ちも含め、なぜこの商品を作ろうと思ったのかなど、ここまでの経緯を聞き取って、こういうデザインにしてほしいという具体的なことだけじゃなくて、クライアントがどういう生活をしていて、どんな服を着て、どういう世界になれば気持ちがいいのかなど、理解・共有できるまで、たくさん質問します。そして、それらをデザインに反映できるよう心がけてます。

 

Q仕事のどの部分が一番好きですか?

「コレだ!」というコンセプトに行き着くまで、クライアントの気持ちになったり、生活者の気持ちになったり、題材に関することを掘り下げてみたり、自分の中身を全部総動員して、ぐるぐる考え続ける時間が好きです。運転中も、お風呂でも、こどもを寝かしつけている時も、ずっとそのことを考え続けています。そのあと、膝を打つような、「コレだ!」というキーワードを見つけた時は、本当にうれしい瞬間です。

 

Q仕事で一番時間をかけているのは何ですか?

ヒアリングからデザインを考えるまでが仕事の7割。形、色など、実際の図案制作にかける仕事の割合が3割という感じです。クライアントに寄り添う、自分が感動する、ファンになる。人と商品について伝えること、感動を伝えることがデザインの仕事だと思っています。

 

Q仕事を通して社会に何を提供できますか?

常識だからやっていること、やらなきゃいけないことを捨てていきたい。クライアントの要望だけを聞いてデザインするのではなく、「本当にそれがいいのか?」を考え、コミュニケーションを視覚化しています。「みんなが持ってるから自分も持つ」のではなく、ふつうと戦うことが大事だと思うんです。「そのままでいいんだよ」ということを、デザインを通して伝えたい。かっこよくなくていいし、かわいくなくていい。「気持ちよい」と思えるのが大切だと思います。流行っていても、自分が気持ちいいと思わないデザインがそばにあるのは幸せじゃないはずだから、使い手はもちろん、作り手も気持ちいいと思えるデザインをしていきたい。

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Q人生の中で仕事が占める割合は?

100%です。生きていて経験していることのすべてが仕事に活きています。

 

Q仕事に必要なものは何ですか?

デザインするための、紙と鉛筆と、PCマックとグラフィックソフト、プリンター、スキャナです。印刷のための、紙見本、色見本も欠かせません。絵は、鉛筆、筆ペン、万年筆、パステル、アクリル絵具、水彩色鉛筆、コピックなどで描いています。

 

Q仕事以外で大事にしてること、熱中していることはありますか?

仕事以外にやっていることは、3人のこどもの成長を守ることです。心と体が健やかで清潔でいられるよう、暮らしを整えます。楽しい経験をたくさんしてもらえるよう、一緒に遊びます。自分も機嫌よくいるよう、心がけています(なかなかできていません)。久高島の画家の山崎紀和さんが教えてくれた歌、「朝はどこから」のような家庭をつむぎたい、と意識しています。

Q自分らしく生きるためには何が必要だと思いますか?

やりたくないし、やってみてうまくもいかないことは、無理して今やらなくていいように思います。今やるべきことじゃないんだと思います。今後、同じ事柄なのに興味が湧く時が来たら、その時やればいいと思います。今は、今やりたくてたまらないようなことを、堂々とやるのが一番いいと思います。それが自分らしいのかどうかはわかりませんが、その時の自分が一番、うれしい、楽しいと思うことをやるのが、自分という友だちに対して誠実であり、そうやって自分が機嫌よく生きていることが、社会や地球に対してさえも、とても良いことだと思います。

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※このガイドブックは公益社団法人金秀青少年育成財団の助成を受けて制作されました。

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