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なぜ、
人は働くのだろう

 みんなにとって、仕事ってどんな感じですか?まだまだ先のことだと思っている人も多いかもね。実際、大人だって、「自分らしい仕事とか自分らしい人生ってなんだろう?」なんて、考えることはたぶん、そうそうあることじゃない。でも、なるべく早い段階で、自分について知ることは、これからの人生に役立つと思うんだ。

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 ところで、こんなこと考えてみるのはどうかな。「なぜ人は働くのか?」日本国憲法では働くことは国民の義務だとされてるんだけど、なんでかわかる?1945年以前は、自分は働かないで、人が稼いだお金でもうけている人が今より多かったんだって。そのことで、いろんな問題があったから、新しくつくられた憲法では、働くことが義務になったそうなんだ。だから、突き詰めていくと、必要がなければ働かなきゃいけないってことはないみたい。勉強もそう。教育の義務は、正確には「大人が子どもに教育を受けさせる義務」であって、子どもにとって勉強することは義務ではなくて権利なんだよね。だから、勉強したくなければ無理にしなくてもいい、ってことになる。それを踏まえた上で、働くことや勉強することについて考えてみると、今まで気づかなかったことが見えてくるかもね。

 多くの人にとって、働くのは生活のため、言い換えれば、生活費を稼ぐためかもしれない。生きてくためには、食べものが必要だし、着るものや住む場所が必要だし、やりたいことをするためのお金も必要だから。もちろん、「お金持ちになりたいから働く」っていう人もいるだろうし、「有名になりたいから」、「すごいなーって言われたいから」、「自分を表現したいから」という人もいるでしょう。それから、「人の役に立ちたいから」とか、「この世に生まれたという証を残したいから」って考える人もいるだろうね。

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 そこで思うのは、有名になりたいとか、自分を表現するとか、人の役に立つことって、お金を得るための仕事とはちょっと違うんじゃないかってこと。それは、趣味とか遊びの範囲のことかもしれないし、ボランティア的なもの、社会貢献活動的なものかもしれないよね。そう考えていくと、「仕事とボランティアと趣味と遊びの違いってなんだろう?」、「お手伝いと仕事はどう違う?」、「アマチュアとプロの違いってなんだろう?」という疑問が出てくるかもしれない。

 さて、ある登山家に「あなたは死ぬかもしれないのに、なぜ冬山に登るんですか?」と聞いた人がいたそうです。登山家はその質問に「そこに山があるからです」と答えたんだって。この話が伝えているのは、「なぜ?」に対して説明することはそれほど重要なことではなくて、「やりたい」という気持ちがあるかどうかが大切なんだということなのかもしれないね。

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 このガイドブックの役割は、「やりたい!」と思える仕事や、自分らしい人生を見つけるきっかけになること。見つけるのはあなただし、見つけられるのもあなただけだということを忘れないでいてほしい。

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「仕事は社会的な価値の提供。他者の役に立つこと。たとえば絵は自分より上手い人がたくさんいるから、自分に出番はないというか、自分が描く必要が社会的にない。学生時代を振り返ると、机に落書きをしてたんですよね。初めは描きたいから描いてた。でもそれを見たクラスメートが「おおすげーじゃん、カッコいいの描いてんじゃん」って、ほめるわけですよ。そうするとモチベーションが上がってもっと描くようになるんです。それと同時に自分がやったことに価値があると思うわけです」

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